海原悠雲「やる気の育て方―モチベーションを高め持続させる仕組みを作る―」(インフォトップ出版 2009)


 見た目はハウツー本の自己啓発書である。教育産業に携わる人間や心理学を専攻されておられる方からすると、邪道でありクソ本とののしられる可能性もある。

 しかし、この本に書いてあることは、様々なやる気が起きない人間に対して、モチベーションを高め持続する技術、自信をつける技術を示しているところが魅力である。

 科学的な手法だと感じた(著者がNLPという心理学の一分野のプロ)のは、「自信」を基準に人間を4タイプに分け、最も自信があるタイプになるための具体策を紹介している。



 少し内容を話すと、人間は誰しも過去のツライ経験を通して、無意識に自分の行動にブロックをかけたり、やる気を出せない状態のまま大人になってしまう。

 しかし、これは科学的な手法によって、大部分が改善できる。改善策として、


 1.自分の行動に価値を感じる
 2.自分を評価する
 3.人間関係を改善する


 という3つの具体策が掲載されている。



 燃え尽き症候群の大学生、五月病の社会人などはもちろん、学校現場では不登校生徒、やる気ない不良に対して、効果的な指導をするヒントを得られるように思う。

 「やる気」というのは、自然に湧き出てくるものではなく、人間の心や脳のメカニズムに基づいて対応していけば、ある程度向上させられるのである。「やる気」を高め、持続させるというのは、いわばスキル(自動車の運転やパソコンの使い方と同じ!)なのだということが、理解できる本だと考える。(この本のおかげで、私の学級の不登校の生徒も、かなり登校率がアップしました!!)

やる気の育て方―モチベーションを高め持続させる仕組みを作る

やる気の育て方―モチベーションを高め持続させる仕組みを作る